フェデラル様式

ウッドランズ(フィラデルフィア)

ウッドランズ(フィラデルフィア)

「本誌80号表紙のことば」で、 フィラデルフィアにある独立後当時の国会議事堂の写真を紹介している。この中心の建築物はジョージアン様式の代表事例である。 その両側に回廊で結ばれた建築物(「表紙のことば」写真)は、 フェデラル様式によって建てられている。 遠景、 中景のいずれから見ても、 ジョージアン様式で建てられた中央の建築物と、 両袖のフェデラル様式の建築物とが、 別の様式によって造られた建築物であると認識することは難しい。 しかし、 よく近づいて、 近景でこれらの建築物を比較してみると、 その建築詳細の差は明白に理解できる。 つまり、 レンガ目地を見ると、 フェデラル様式の場合は、 殆んど存在しないほど薄い幅になっており、 レンガ精度の高さに驚かされる。 しかし、両様式を比較すれば、 目地のもっている面白さの相違も、 逆に理解できる。確かに、 レンガ寸法のバラつきが大きい場合には、 レンガ積み工にとって、 その調節を目地でしなければならないということで、 目地の施工は高い技能を要するわずらわしいものであったに違いない。 精度の高いレンガは、 それだけ高価であったことから、 逆にレンガ目地の大きな建築物は、それだけ粗悪な寸法のレンガを使ったことになる。そのため、目地幅の狭い建築物は、それ自体で高価な建築物であるという証明になっていた。そのため、如何に目地を狭くするかに、建築施工の大きな関心が集中していた。 しかし、 工場生産レンガが一般的に大量供給され、 レンガの施工精度も容易に高められるようになると、 レンガ目地の狭い建築物をいとも容易に、 安価に建設できるようになった。 目地自体を自由に操作できるようになって、 あらためて、 レンガ建築物のデザインを見たとき、 ジョージアン様式による幅の広い目地は、フェデラル様式による目地に比べて、 はるかに面白く、 味わいのあるものと認識されるようになった。

この邸宅は、 ウィリアム ・ ハミルトンが1787ー1789年に、フィラデルフィア郊外に建設した最初のフェデラル様式による建築物である。フェデラル様式がジョージアン様式と相違するもう一つの大きな点は、ガラスの製造技術が高まって、それまでのガラス(8インチX10インチ)から大きなガラス(10インチX12インチ)が登場し、 そのガラスを支えるマンチン(棧木)も幅1インチから4分の3インチと狭くなり、 優雅な窓に変化したことである。 また、 ジョージアン様式では必ず腰壁のある上げ下げ窓であったが、 フェデラル様式では、 窓は床面まで下げられ出入りのできる上げ下げ窓(ダブルハングウィンドウ)や、 弓形に湾曲した窓(ボウウィンドウ)も登場することになった。

フェデラル様式に、 スパンドル(上下階の中間壁)部分のテコレーション(装飾)として 、 フェストーンやリボン、 トロフィー、 ランプ、 麦穂、 ロゼットなどの彫刻装飾が好んで採用されるようになった。

フェデラル様式に、 スパンドル(上下階の中間壁)部分のテコレーション(装飾)として 、 フェストーンやリボン、 トロフィー、 ランプ、 麦穂、 ロゼットなどの彫刻装飾が好んで採用されるようになった。


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