HICPMメールマガジン第825号(2019.04.01〉

みなさんこんにちは、今日は新元号の発表日です。「平成」の次はもうすぐ発表です。

 

わが国の住宅産業が欧米と基本的に違っていることは、住宅産業の扱っている住宅の設計・施工技術が信頼できないことである。学校教育でまともな教育が行われていないだけではなく、建築行政法(建築士法、建設業法、建築基準法が適正に施行されていないためである。そのため国民は住宅を販売価格相当の価値がある不動産として購入できず、住宅を購入した消費者は、住宅を購入することでその個人資産を失っていることである。その住宅産業関係者は、政府の住宅政策として、消費者を騙して不等価交換販売をして反省をすることはない。その住宅産業関係者の最大の関心事が、住宅販売であると言う。その目的な専ら消費者からお金を奪い取ることになっている。等価交換でなければ、「詐欺」である。

 

住宅産業に必要な技術:接客業

現在のわが国では、住宅産業にとって最も重要な技術は設計や施工という物づくりではなく、「客を成約に追い込む技術」と言われている。どのような顧客に対しても住宅建設工事請負契約を制約に導く技術だと言われている。どのような顧客の要求でも満足させるような住宅などあるはずはない。それらの住宅産業の営業を見ていると、その住宅建設会社には、特別の設計施工の能力や実績がある訳ではなく、自社で販売したいと考えている住宅を顧客に勘違いさせて販売しているだけである。

 

営業トークとして「優れた一級建築士を使った注文住宅設計」と説明して行っているが、そのような優れた一級建築士は日本にはいない。建築士資格保有者の多くは、基本設計はもとより実施設計も作成できず、工事費見積もりもできない。その営業はハウスメーカーが取り組んできた住宅営業と基本的に同じである。「顧客満足」をさせる方法は、建築主を「ご主人様」にして、多くの建築士はメイドになり、ご主人様(建築主)の命令に仕える「メイド」になり、建築主の設計道楽をさせる営業である。建築主に自身の設計能力を過信させ、その建築主の要求通りに業者が工事用に図面を作成して「ご主人様の求める住宅が命令道理叶えられる」(顧客に設計道楽による満足を与える)商法である。

 

最初の段階で「営業マンは建築主に相場単価を持ち出し、建設費総額の枠組みを決める」ことで安心させ、建設総額を相場単価で除して計画する住宅の延べ面積は決める。営業マンは建築主の要求する間取りが優れていると評価し、図面の企保ンを決めさせ、建築主を煽って住宅会社で用意した設計を進め、建設費の詳細は交渉内容から外す。専ら間取りやデザイン・材料、住宅設備の選択の話に引き込めれば、設計内容が独り歩きし、建築主をおだて話題を住宅性能に持ち込めば専門性のありそうな話ができる。要求性能の実現を建築主が自ら決めれば、「その選択の判断は驚くほどすごい」とおだて、住宅設計の枠組みは決定される。住宅会社は「メイド」に徹し、「ご主人様が、すごい設計能力をお持ちで、ご自分で住宅を設計された」という「顧客サービス」が徹底できれば、ご主人様は芸者遊びにご満悦である。

 

「住宅公園」と名付けられた住宅展示場営業

かつて住宅展示場を利用して住宅販売が始められたとき、米国の「ストリート・オブ・ドリーム」と名付けられた住宅展示場モデル住宅分譲が、短期間に集客した経験として日本に持ち込まれた。米国のストリート・オブ・ドリームは住宅地環境開発をする分譲住宅事業である。その住宅地で住宅を建設販売するホームビルダーと住宅設計者が手を組んで、その土地に適した街並み環境計画に沿って代表的なデザインの住宅の住宅モデルホームを設計し建設させて、顧客に実物と同じ住宅を実体験させ、気に入った顧客に隣接した住宅地に住宅を建設し販売する。住宅を住宅環境と一体に供給する事業である。

 

多くの場合、ストリート・オブ・ドリームのモデルホームは、ホームビルダーと優秀な建築家が協力し、建売住宅(スペキュラティブ・ハウス)として建設した話題性のある住宅を消費者に有償でモデルホームを見学させ、隣接する分譲地に「住宅を設計施工一貫で供給する」ものであるが、最終的にそのモデルホーム自体も売却する。米国では土地と住宅とは不可分一体の不動産であるから、モデルホームで埋め尽くされた住宅地環境全体が住環境モデルで、実際に売却する住宅不動産と基本的には同じ住宅である。米国ではモデルホームが販売住宅より高級な場合は不当景品表示の「詐欺」に当たるとされている。

 

しかし、わが国ではそこでのモデルホームはハウスメーカーの住宅設計・施工能力をしめすものであるから詐欺と見なされない。顧客の夢の実現を叶えるためとハウスメーカーを売り込み、個別住宅訪問販売をするため、展示場の住宅自体は売却を目的としていない。住宅展示場は展示場来場顧客の住所・氏名を記入させることが目的で、その顧客名簿を使って個別販売を行なうものである。展示するモデルホームも顧客に売却する住宅ではなく、客引き目的のモデルである。住宅展示会社が展示場を3年間程度の期間で開催し、出展企業から出展料と集客用運営経費を徴収して展示場を運営する。

 

住宅展示場営業

住宅展示業者の草分けでもある朝日放送の完全子会社であるエー・ビー・シー開発㈱は、展示場に「住宅公園」という名称を付け、展示場のプロトタイプを作り出した会社である。土地を新たに購入しない住宅購入者予備軍が集まるように計画し、そこで定期的な子供向けのイベントを行い、人ども連れで楽しめる簡単な興行を行い、参加者には住所、氏名を記入するアンケート調査を行い、その回答者には、1万円相当(20年以上昔は、5000円)のお土産を配布してきた。その背景には同社は朝日放送の全額出資の子会社で、政府の住宅建設計画法による住宅政策を先取りし実施した会社である。

 

政府の建て替え政策に合わせて、軽量鉄骨のプレハブ住宅による住宅建て替えを推進するべく、需要層として住宅展示場の集客圏(5km)の住宅を悉皆調査し、建築後10~15年と判断される住宅に居住する40歳代の建て替え需要層に、住宅展示場案内の勧誘チラシのポスティングを行い、展示場への来場を促す。展示会社は来場者から作成した顧客リストを出展者に配布し、それ以降は出展者のハウスメーカーごとの営業方法により、営業マンが「夜討ち朝駆け」の営業を行なうことになる。

 

その住宅営業攻勢の営業戦術は行き過ぎが行われ消費者の反発を買い逆効果とされた。営業方法は当初と現在とは全く様変わりしている。消費者がモデルにできる住宅が社会的に存在しない。そこで、顧客を待ち伏せして捉えるのではなく、顧客を住宅展示場で泳がせ「定置網に誘い込む方法」へと営業戦術は「攻撃から誘導」へ転換したが、集客する営業戦略は同じである。最近では、政府の「差別化戦略による住宅販売」は企業ごとの差異も、展示場のモデルハウスの相違が次第に政府の住宅性能表示政策により、次第に消滅してきた。その結果、住宅展示場のモデルホームの役割も顧客とのネットワークを結ぶことに変化し、営業マンの個性を前面に出した「トーク」が重要視されるようになってきた。

 

私の民間企業での経験

私はエービ-シー開発㈱から、同社が政府の輸入住宅政策に対応するために役員として招聘された。その理由は、私が住宅局人事で建築士の行政処分の件で、課人事権を握っていた課長と対立し住宅局を追放され、15年間建設本省に戻さず、海外(インドネシア)、外郭団体、地方公共団体、住宅都市整備公団など盥回しされた。その挙句、住宅局人事ではまともな処遇をしないことが分かり、官僚人事から離脱に追い込まれた。インドネシア経験を買われて、海外デパート展開を計画した「そごうデパート」の誘いに応えインドネシアに出掛けることを考えた。その直前、わが国では輸入住宅が大きな住宅政策になり、その情報に応えABC開発が、私を利用可能な知識経験と人脈を評価し迎えてくれた。

 

  • 建設省で2×4工法を建築基準法上の制度にまとめ、住宅産業界に一定の影響力があった。
  • 建築士や建築主事、技術士資等の資格有者で、輸入住宅導入に影響力があった
  • 建築基準法第5次改正を担当し、建築行政及び建設業界に対して一定の影響力があった
  • 住宅産業界では時代の輸入住宅行政に携わり、メディアに頻繁に執筆していた
  • 住宅官僚としての住宅産業界に知名度と影響力と米国および英国とカナダの住宅産業との関係があり、産業界や行政界や住宅産業界に一定の影響力を発揮することが期待できた

 

エー・ビー・シー開発㈱の役員として業務について、社長や専務取締役の前身が放送記者で、優れた情報収集能力を持っていた。政界や官界との関係を深め、政治献金を行い、最先端の政策情報を驚くほど的確に入手していた。私は建設本省人事から追い出されたが、米国。カナダからの2×4工法技術の導入が求められ、当面は私がわが国の建築基準法上可能な技術として作成した技術基準に従わざるを得なくなっていたので、わが国の「枠組み壁工法」の技術の創設者として活用の場が待ち受けていた。最初の業務として、国内外4社と協力し、NAHB(全米ホームビルダーズ協会)の協力を引き出し、FIHF(神戸インターナショナル・ハウジング・フェアー)が計画され、日本で米国の協力を得てホームビルダーズショウを開催することを託された。この事業は第施行し、NAHBとの県警が強化された。

 

NAHBという組織とHICPMが結びついた理由

私はエー・ビー・シー開発㈱の役員で、建設事業部、商事事業部、東京支社長として輸入住宅の建設や輸入建材の取引、住宅展示場事業を担当し、それまで住宅官僚の立場で扱っていた問題を、民間の商事業務・建設業務の視点から学ぶことができ、米国やカナダとの取引を通して、日米の住宅建設業、商事業の違いが分かり、全米ホームビルダー協会(NAHB)の全面的な協力を得て神戸国際住宅展(KIHF)の開催をした。KIHFをとおして、NAHBとも業務上の接点ができ、米国の住宅産業を調べる内に、日米の大きな違いをだんだん理解することになった。日本のバブル経済崩壊後の企業経営の縮小に合わせ私は退社し、米国の住宅産業技術、中でもNAHBのホームビルダーの経営技術を国内に技術移転する組織を立ち上げた。それが現在のNPO法人住宅生産性研究会である。

 

KIHFの事業を通して、全米ホームビルダー協会が、米国の消費者の利益を守るために政府顔負けの取り組みをしていることを知り驚かされた。全米ホームビルダーズ協会は、協会会員及び住宅産業技能者の利益を守るための業界団体と言うだけではなく、国民の利益を守るために政府(HUD:住宅都市開発省とも徹底対立をし、クリントン政権時代に、「OBT(オペレーション・ブレーク・スルー:住宅を工場制作する政策))の誤りを政府がNAHBに対して謝罪しない限りNAHBは政府の環境問題に協力しない」ことをはっきりさせた事実を知らされて驚かされた。それが私がNAHBに高い信頼感を抱くことになり、その後25年以上NAHBの技術を国内移転のために尽くしてきた理由であった。

(BM第827号)

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